人望民語録・『珈琲はない』 
フランス革命、アメリカ独立、そしてオスマン帝国崩壊。一般市民の蜂起にはカフェが密接に関わっていたのは万人の知るところだが、その正体を正確に把握していたものは少ない。実は黒い飲料「コーヒー」を供し、変性意識状態を作り出す薬物を媒介した集団が背後で躍動していたのである。蘭学者の宇田川榕菴はユダヤ人さえも恐れた『ひとつなぎの玉飾り』なる秘密結社の正体を突き止め、コーヒー伝来の際にそれを意味する複雑な当て字を作り世に警告した。以来「珈琲」とは『外部から容易に発見できない陰謀』と意味する隠語として使われ、不正を追求された政治家が「私に珈琲はない」となどと弁明するようにもなった。---民明書房刊「世界秘密結社大全」