人望民研究レポートWiki - 人望民語録・『更走(さばしり)』

人望民語録・『更走(さばしり)』


古来より流罪は死刑に次ぐ重刑とみなされ、本国から隔絶された場所での生活は重大な苦痛を伴うものとされた。そして日本にも、『更走』という知る人ぞ知る恐るべき流刑地がある。芬蘭人も寒さを訴えるような絶対零度の極寒地に捨て置かれることは死を意味したのだ。今でも「片道切符の島流し」という風習のある業界などに『更走送り』の習慣は残る。企業の人事情報や新聞記事に『更迭』の文字を見ても安心してはいけない。よく見れば『更走』なのかもしれないのだから---太公望書林刊『流刑地をめぐる記憶』より